SNSを更新し、交流会に参加し、広告も試した。それでも売上が伸びない——そんな悩みを抱える個人事業主・フリーランスの方は少なくありません。
原因は行動量でも、スキルでもないことがほとんどです。「どこに向かうか」が決まっていないことが、最大の問題です。
この記事では、個人事業主がマーケティング戦略を持つべき理由と、具体的にどう考えるかを解説します。
もし今、まさに「何から手をつければいいか」で止まっているなら、一人で抱え込まず話してみませんか。
マーケティング戦略は「大企業だけのもの」という誤解
ビジネス書を開くと、3C分析・4P・SWOT分析といったフレームワークが並びます。どれも大きな組織を前提に書かれているため、「戦略は自分には関係ない」と感じてしまう方が多いです。
しかし、戦略の本質は非常にシンプルです。
戦略とは、目的を達成するために、有限な資源をどこに集中するかを決めること。
この定義に照らせば、戦略が最も必要なのは、リソースの豊富な大企業ではなく、時間も予算も限られた個人です。
「戦略なし」で動くと、努力が逆効果になる
「戦略(Strategy)」という言葉の語源は、古代ギリシャ語の「軍を率いる者(Strategos)」です。
戦場では、将軍が戦略を誤ると、兵士が何万人いても壊滅します。補給路を断たれたり、地形を読み違えたりするだけで、個々の兵士の強さは意味を失います。
これは個人の事業にも当てはまります。
SNSを毎日更新しても、交流会に毎週参加しても、向かう方向が間違っていれば、努力するほど目標から遠ざかります。行動量の問題ではなく、方向の問題です。
なぜ個人ほど戦略を先に決める必要があるのか
大企業には、試行錯誤できる体力があります。方向を間違えても、予算とチームの力で立て直すことができます。
しかし個人がマーケティングに使える時間は、週に数時間程度が現実です。本業の合間や深夜に捻出した、極めて限られたリソースです。
この限られたリソースを間違った方向に使い続けると、成果が出る前に時間もお金も尽きます。
リソースが少ないから戦略を後回しにするのではなく、リソースが少ないからこそ、動く前に方向を決めなければならないのです。
同じスタートから全く違う結果になった2人のデザイナー
具体的なケーススタディとして、ほぼ同じ状況から始めた2人のフリーランスデザイナーの例を見てみましょう。
Aさんのケース:戦略なしで動き続けた半年
独立後すぐに行動を開始したAさんは、以下の流れで半年を過ごしました。
1. Instagramを開設(フォロワーが伸びず)
2. Xも開設(反応が薄く)
3. 交流会に毎週参加(紹介のきっかけをつかもうとした)
4. ホームページを作り直し(勧められたため)
半年後、疲れ果てていました。問い合わせはゼロではないものの、何が効果的だったかわからず、来月何を続け・やめるべきかの判断基準がありません。
Bさんのケース:最初の2週間だけ考えた
Bさんは独立後の最初の2週間、何も行動せずに3つの問いを考え続けました。
- 「自分のサービスが最も届くのは誰か」
- 「その人たちは今どこにいるか」
- 「なぜ他のデザイナーではなく、自分でないとダメか」
出た答えは「立ち上げ期のEC事業者が、デザインと数字の両方で判断できるパートナーを探している」でした。
この答えをもとに、SNSはやらずEC起業家が集まるコミュニティ一本に絞り、LP設計の無料相談を入口にしました。最初の3人のクライアントから紹介が連鎖し、半年後には紹介だけで受注が埋まっていました。
2人の違いは何だったか
2人のスキルはほぼ同じでした。違いは「どこに向かうかを決めていたかどうか」という1点だけです。
マーケティング戦略の考え方:3つの問い
Bさんが自問した3つの問いは、個人事業主の戦略を考える出発点として有効です。
1. 誰に届けるか(ターゲット) — 自分のサービスが最も価値を発揮するのは誰か
2. その人はどこにいるか(チャネル) — ターゲットが集まる場所はどこか
3. なぜ自分でないとダメか(差別化) — 同業他者ではなく自分を選ぶ理由は何か
この3つが決まると、どのSNSをやるか・どんな交流会に参加するか・どんな広告を出すかが、自然に絞られます。
この3つの問いを自分の事業に当てはめて考えるのは、一人だと堂々巡りになりやすい作業です。
まとめ
- 個人事業主が売上を上げられない原因の多くは「行動量」ではなく「方向性」にある
- 戦略とは、有限なリソースをどこに集中するかを決めること
- リソースが少ない個人こそ、動く前に方向を決める必要がある
- 「誰に・どこで・なぜ自分か」の3問が戦略の出発点になる
行動の量を増やす前に、まず方向を決める。それだけで、同じ行動量でも結果は大きく変わります。
その方向を決める作業、一人で悩む前に一緒に整理させてください。

人材派遣・住宅設備(マイセット)・空間プロデュース会社UDS・島原観光ビューロー・コラビットと、マーケ担当不在の現場を渡り歩いてきた実務家。26歳でホームページ制作で独立し15年以上Web制作に従事。教育施設の立ち上げでは半年で受講生100人達成、島原観光ビューローでは観光情報発信サイトのディレクションや集客コンテンツを手がけ13年続いた観光コンテンツ(累計経済効果2億円超)を立ち上げ、コラビットには一人目マーケターとして入社し広告CPA65%削減・記事200本以上作成、その後マーケティングマネージャーとして年間数億円規模の予算を管理。現在は屋号デジマタクトでホームページ制作を入口に、AIを活用したマーケティングの仕組みごと提供し、中小企業の担当者1名でも運用できる体制づくりを支援。


