結論から言うと、広告の文章や予算をどう設定するかより先に、コンバージョン計測を完了させることが最優先です。ここを飛ばしたまま広告を回すと、使った広告費と、そこから得られたはずの顧客データの両方を、二度と取り戻せない形で失うことになります。
マーケ担当がいない会社ほど、広告を出すこと自体がゴールになりがちで、「まず出稿してみて、様子を見ながら直していく」という進め方を取りがちです。でも計測が整っていない状態でその進め方をすると、様子を見るための材料そのものが手に入りません。この記事では、広告の中身を作り込む前に、何を、なぜ整えておくべきかをお伝えします。
※もし今、広告を出す前の準備でつまずいているなら、お気軽にご相談ください。
なぜ広告の中身より先に、コンバージョン計測を整えるべきか?
広告を出稿したあとに計測の不備に気づいても、それまでの広告費とデータは取り戻せないからです。
たとえば、広告を出し始めて1週間後に「あれ、問い合わせのデータが管理画面に反映されていないぞ」と気づいたとします。その場合、その1週間で使った広告費と、そこから得られたはずの貴重な顧客データは、文字通り永遠に消え去ります。過去に遡ってデータを復元することはできません。
コンバージョン設定をしないまま広告を回すのは、目隠しをしたまま車を走らせているのと同じです。お金は減っている、クリックもされている、でも何が成果に繋がったのかが全くわからない。だからこそ、広告の中身を作り込む前に、まず計測のインフラを整える。これが運用の絶対原則です。
コンバージョンをどこに置くかで、広告の学習方向はどう変わるか?
コンバージョンとして何を設定するかが、そのまま広告の学習が「良い結果」として捉える方向を決めるからです。
今のGoogle広告の多くは、機械学習がコンバージョンに至りやすいユーザーの傾向を学習し、配信を自動で最適化していく仕組み(スマート自動入札)で動いています。この学習が機能するには、一定数のコンバージョンデータが必要です。Google公式のヘルプでも、過去30日間で30件以上のコンバージョン(目標広告費用対効果を使う場合は50件以上)を獲得していることが、自動入札が機能するための一つの目安として案内されています(出典:スマート自動入札について - Google 広告 ヘルプ)。
つまり、コンバージョンとして設定した行動が月に数件しか発生しないなら、広告はいつまで経っても十分に学習できず、狙った精度で配信されないままになってしまいます。「どこをコンバージョンにするか」を決める作業は、単なる計測の設定ではなく、広告の学習効率そのものを左右する意思決定なのです。
実は僕自身も、デジマタクトの広告を月2万円という小さな予算で運用しています。この規模だと、問い合わせ完了だけをコンバージョンにしても、学習に必要な数には到底届きません。それでもこの考え方を無視せず、コンバージョンの置き方を工夫しながら運用を続けています。
自社の予算規模でコンバージョンをどう設計すればいいか、一緒に整理することもできます。
コンバージョンの数が少ない商材は、どう計測を設計すればいいか?
本来コンバージョンに設定すべきなのは、購入や申し込み完了、問い合わせ完了といった、成果に直結する行動です。この数が学習に必要な水準に届かない場合に限り、ページの深いスクロールや複数ページの閲覧のような「見込みの高い行動」を、暫定的なコンバージョンとして併用するという選択肢があります。
大事なのは、これが「なくてもいい代替」ではなく、あくまで「無いよりはまし」という位置づけだということです。一番良いのは、購入や申し込み完了、問い合わせ完了をコンバージョンに設定することであり、この優先順位が入れ替わることはありません。見込みの高い行動をコンバージョンに加えるのは、成果に直結する行動の絶対数がまだ少ない、立ち上げ初期に限った工夫だと考えてください。僕自身も、月2万円の広告運用の中で、この優先順位を守りながらコンバージョンの置き方を段階的に見直しています。
| 項目 | 直接コンバージョン(問い合わせ・購入完了) | 見込み行動コンバージョン(スクロール・PV等) |
|---|---|---|
| 優先度 | 最優先。本来はこちらだけで運用したい | あくまで暫定。数が足りない間だけの代替 |
| 得られるデータの質 | 成果そのものに直結する高精度なデータ | 見込みの高さの目安にとどまる |
| 向いている段階 | 月30件以上のコンバージョンが見込める場合 | 立ち上げ直後で成果地点の数がまだ少ない場合 |
まとめ
広告の文章や予算の設定にすぐ手を付けたくなる気持ちはよくわかります。でも、その前にコンバージョン計測というインフラを整えておかないと、使った広告費もそこから得られるはずのデータも、取り返しのつかない形で失われてしまいます。そして、どこをコンバージョンに設定するかは、単なる計測の話ではなく、広告の学習方向そのものを決める意思決定です。まずは自社にとっての「成果」がどこにあるのかを、広告を出す前に言葉にしておいてください。
よくある質問
Q. コンバージョン計測は広告を出稿した後からでも設定できますか? A. 技術的には可能ですが、それまでの広告費と成果データは記録されず、過去に遡って復元することはできません。
Q. コンバージョンの数が少ない場合、見込み行動をコンバージョンに設定すればそれで十分ですか? A. いいえ、あくまで暫定措置です。優先すべきは問い合わせ完了や購入完了などの直接コンバージョンです。
Q. 機械学習が機能するのに必要なコンバージョン数の目安はありますか? A. Google公式では過去30日間で30件以上(目標広告費用対効果の場合は50件以上)が一つの目安とされています。
Q. コンバージョン計測の具体的な設定方法はどこで学べますか? A. 実際の管理画面を使った設定手順は、ソロマーケスクールで解説しています。
具体的な計測タグの設定方法や、実際の管理画面の操作手順は、この記事では扱いません。実際の画面を見ながら一つずつ進めていく流れは、ソロマーケスクールの中で解説しています。
一人で計測設計を抱え込まず、一緒に整えさせてください。

人材派遣・住宅設備(マイセット)・空間プロデュース会社UDS・島原観光ビューロー・コラビットと、マーケ担当不在の現場を渡り歩いてきた実務家。26歳でホームページ制作で独立し15年以上Web制作に従事。教育施設の立ち上げでは半年で受講生100人達成、島原観光ビューローでは観光情報発信サイトのディレクションや集客コンテンツを手がけ13年続いた観光コンテンツ(累計経済効果2億円超)を立ち上げ、コラビットには一人目マーケターとして入社し広告CPA65%削減・記事200本以上作成、その後マーケティングマネージャーとして年間数億円規模の予算を管理。現在は屋号デジマタクトでホームページ制作を入口に、AIを活用したマーケティングの仕組みごと提供し、中小企業の担当者1名でも運用できる体制づくりを支援。


