競合分析で大事なのは、直接競合だけでなく「間接競合」「代替手段」まで含めた3種類の競合を比較表で並べて、訴求の空白地帯を見つけることです。ひとりで事業をやっていると、競合分析にかけられる時間も人手も限られています。だからこそ、闇雲に同業他社を調べるのではなく、最初から「見るべき競合の範囲」を絞り込んでおく必要があります。この記事は、先日ある方から「競合分析で特に重視している点は?」と聞かれたことをきっかけに、僕がクライアントの競合分析に入るときに実際にやっている手順をまとめたものです。ひとりで戦略から実行まで担わなければいけない方にこそ、遠回りせずに使ってもらいたい内容です。
競合分析で本当に見るべき「3つの競合」とは?
競合は「直接競合」「間接競合」「代替手段」の3種類に分けて捉える必要があります。
直接競合は、同じサービス・同じターゲットに向けて、ほぼ同じ土俵で戦っている会社です。ここは誰でも思いつきますし、実際にリストアップするのも難しくありません。問題はその先です。間接競合は、業界の見た目は違うけれど、お客さんの同じ悩み・同じ予算を奪い合っている相手です。そして代替手段は、そもそも「誰かに頼む」という選択肢自体をなくしてしまう手段のことです。
たとえば学習塾であれば、直接競合は近隣の他の塾ですが、間接競合はオンライン教材や動画学習サービス、代替手段は「自分で市販の問題集を買って家庭学習する」という選択そのものです。この3層で見て初めて、自分が本当に戦っている相手が見えてきます。
僕がこの3層に分けて考えるようになったのは、直接競合だけを見て打ち出した訴求が、なぜかお客さんに響かなかった経験が何度もあったからです。同業他社との比較では優位に立てているはずなのに反応が薄い。理由を探ると、そもそもお客さんが検討していたのは同業他社ではなく、「自分でやる」という選択肢だった、というケースが少なくありませんでした。競合を1種類だけで見ていると、こういうズレに気づけません。
なぜ間接競合・代替手段を見落としてはいけないのか?
見落とす理由は、間接競合や代替手段は「同じ業界」に見えないため、比較対象として頭に浮かばないからです。
直接競合は考えやすいのですが、間接競合と代替手段は意識的に探しにいかないと見過ごしてしまいます。厄介なのは、シェアを奪われるときに一番静かに削られていくのが、この間接競合と代替手段の領域だということです。同業他社に負けたのであれば気づきやすいですが、「そもそも誰かに頼むのをやめた」というお客さんの選択は、見えないところで起きています。
この見落としが起きる一番の理由は、僕らが無意識に「競合=同じ業界の会社」だと思い込んでいることにあります。同じ業界の中だけで比較していると、視野がその業界の内側で閉じてしまい、お客さんが実際に頭の中で比較している相手の半分しか見えていない、という状態になりがちです。だからこそ、直接競合のリストを作った後、必ず一歩引いて「このお客さんが僕を使わなかったら、次に何を選ぶか」を考える時間を意識的に取るようにしています。
比較表はどう作れば訴求の空白地帯が見えてくるのか?
比較表は「想定ターゲット・提供価値・機能・価格・最大の強み・ユーザーが不満に感じている弱点」の6項目を横に並べれば、誰も埋めていないマスが訴求の空白地帯として浮かび上がります。
| 項目 | 直接競合A | 直接競合B | 間接競合 | 代替手段 |
|---|---|---|---|---|
| 想定ターゲット | ||||
| 提供価値 | ||||
| 機能 | ||||
| 価格 | ||||
| 最大の強み | ||||
| ユーザーの不満点 |
このフォーマットに実際の情報を埋めて横に並べて眺めると、「みんな同じことを強みにしている」列と、「誰も触れていない」列がはっきり分かれます。後者が、自分の訴求で狙うべき空白地帯です。表を作ること自体が目的ではなく、埋め終わった表を眺めて「ここは誰も言っていないな」と気づく瞬間のためにこの作業をやっている、というのが正直なところです。
表を埋める作業自体はAIに手伝ってもらってもいいのですが、僕は必ず自分の目でも競合のWebサイトを見にいきます。代表者の経歴まで見て、その会社がどういう流れでこの事業をやるようになったのかを想像するようにしています。そうすると「この会社はこの分野には弱いだろう」「ここは強そうだ」「ここは体制的に追従してこないだろう」といったことが、数字には表れない形で見えてきます。比較表は事実を並べる作業ですが、そこに至るまでの想像力は人間にしかできない部分だと感じています。
「お客さんの認識の中の競合」はどうやって特定するか?
一番確実なのは、既存のお客さんに「うちを選ぶとき、他にどこと悩みましたか?」と直接聞くことです。
比較表を作ってロジカルに競合を整理しても、最終的にお客さんの頭の中で本当に比較されていた相手とはズレていることがあります。だからこそ、この質問を実際のお客さんに投げかけて出てくる名前こそが、客観的な市場データよりも価値のある「本当の競合」だと考えています。お客さんの認識の中にある競合をいかに特定できるかが、競合分析全体の精度を決めると言っても言い過ぎではありません。表で整理した仮説と、お客さんの実際の言葉をすり合わせて初めて、競合分析は「使える」ものになります。
まとめ
競合分析は、直接競合だけを並べても半分しか終わっていません。間接競合と代替手段まで含めた3種類を比較表に並べて空白地帯を探し、さらに既存のお客さんに直接聞いて「認識の中の競合」を確かめる。この2つを組み合わせて初めて、自分の訴求をどこに置くべきかが見えてきます。ひとりで事業をやっていると、つい同業他社ばかりに目が向きがちですが、お客さんが本当に比較しているのは、もっと広い範囲かもしれません。
よくある質問
Q. 直接競合は何社くらいリストアップすればいいですか? A. 目安は3社程度です。多すぎると比較表が煩雑になり、空白地帯が見えにくくなります。
Q. 間接競合や代替手段はどうやって見つければいいですか? A. 「このお客さんが自分を使わなかったら、次に何を選ぶか」を自分に問いかけると見つかりやすいです。
Q. 競合分析はAIだけで完結させてもいいですか? A. 下調べはAIで構いませんが、Webサイトや代表者の経歴を自分の目で見る工程は省略しないほうがいいです。
Q. お客さんに直接聞くのが気まずい場合はどうすればいいですか? A. 「サービス改善のために伺っています」と前置きするだけで、多くの場合は自然に答えてもらえます。
(この記事は【スキマ時間にAIインタビューに答えるだけで記事になるコトポスト】で作成しています)

個人事業主(ソロプレナー)の「売上が伸びない」「発信が続かない」を、AIとコンテンツマーケティングで解決する専門家。大手企業のオウンドメディア立ち上げ・コンテンツマーケティング支援を皮切りに、事業会社のマーケティング責任者として年間2億円規模のマーケティング予算を統括。自らも週2本ペースで2年間、200〜300本の記事を執筆し、記事制作のディレクションも担いながらコンテンツマーケティングを現場で回し続けてきた。広告だけに頼らない仕組みづくりを志向し、コンテンツマーケティングとの掛け合わせで3年間で事業売上約20倍の成長を牽引。BtoB(SaaS)領域では広告費に依存しないリード獲得スキームを構築し、MRR1,000万円超を達成。事業主として7つの新規事業立ち上げ・会社経営を経験しており、職業マーケターとしての実務経験と両方を持つのが最大の強み。個人事業主が単価の壁で頼れなかったプロのマーケティング支援を、AIを武器に届けている。

