検索広告の成果が思うように出ないとき、多くの場合は「クリック単価(CPC)」と「成約率(CVR)」のどちらに問題があるのかを切り分けられていないことが原因です。
マーケ担当がいない会社ほど、社長や部長が本を読んだり知り合いに聞いたりしながら検索広告を出稿してみて、「なんとなく効果がある気がする」「なんとなく高い気がする」という感覚だけで運用を続けてしまいがちです。この記事では、その感覚を「どこに問題があるのか」という物差しに変える考え方をお伝えします。
※もし今、検索広告の成果をどう見ればいいか迷っているなら、お気軽にご相談ください。
なぜ検索広告の成果は「CPC×CVR」で捉えるべきか?
検索広告の成果は、基本的に「CPC(クリック単価)×CVR(成約率)」という掛け算の構造で決まるからです。
CPCは1クリックあたりにかかる費用、CVRはクリックした人のうち実際に問い合わせや購入に至った人の割合を指します。たとえば1クリック200円の広告で10人がクリックし、そのうち1人が問い合わせをしたなら、費用2,000円で1件の問い合わせが取れたことになります。
この式のいいところは、「なんとなく成果が出ない」という漠然とした不安を、「CPCが高いのか、CVRが低いのか」という具体的な問いに変えられる点です。僕がこれまで見てきた中でも、マーケ担当がいない会社ほど「広告費が高い」の一言で片づけてしまい、実はCPCではなくCVR側(広告文やLPと訪問者の期待のズレ)に原因があったというケースが少なくありません。原因の場所を間違えたまま手を打っても、当然成果は改善しません。
なぜGoogle検索広告では「キーワードを選ぶこと」がターゲティングそのものになるのか?
Google検索広告は「どんな言葉で検索している人に広告を見せるか」というキーワード単位の勝負だからです。
同じ「転職」というテーマでも、「転職 30代 エンジニア」と「転職 エンジニア」では検索している人の状況が違いますし、「東京 整体 即日」と「整体」では緊急度がまったく異なります。Meta広告のようなSNS広告が「どんな興味関心を持つ人に見せるか」というオーディエンス単位の勝負であるのに対して、Google検索広告はユーザー自身が打ち込んだ言葉そのものがターゲティングの軸になります。つまり、キーワードを選ぶという作業は、そのまま「誰に広告を届けるか」を選ぶ作業と同じ意味を持っています。
自社の広告が「CPCの問題」か「CVRの問題」か、どう切り分ければいいか?
症状によって、まず疑うべき指標と見直す対象が変わります。
| 症状 | 疑うべき指標 | まず見直す対象 |
|---|---|---|
| クリックはされるのに、問い合わせや購入に至らない | CVR | 広告文とLP(着地ページ)の内容が一致しているか |
| そもそもクリックされにくい、広告費がすぐ尽きる | CPC | 入札の設定や広告の品質 |
| クリックも少なく、成約もほとんどない | 両方 | そもそものキーワード選定 |
今のGoogle検索広告では、複数の見出しと説明文を登録しておくとユーザーの検索意図に合わせて自動で組み合わせを選んでくれる形式(レスポンシブ検索広告)が標準になっています。Google公式のヘルプでも、この広告アセットの充実度を「低い」から「非常に高い」まで改善した広告主は、コンバージョン数が平均15%増加したというデータが示されています(出典:Google 広告ヘルプ)。広告文の質がCVRに直結するというのは、決して感覚論ではないということです。
自社の数字がCPCとCVRのどちらで詰まっているのか、一緒に確認することもできます。
なぜコンバージョン計測が「検索広告の命」と言えるのか?
計測が正しくできていなければ、CPCとCVRのどちらに問題があるのかという切り分けそのものが成立しないからです。
コンバージョン(問い合わせや購入などの成果)を正しく計測できていない状態で広告を運用するのは、燃費計のない車を走らせているようなものです。何にどれだけ費用がかかり、それがどれだけの成果につながっているのかが見えないまま、広告費だけが出ていってしまいます。
なお、CVRの適正値は業種や商材によって大きな幅があります。海外のWordStream社の調査では、検索広告の平均CVRは3.75%という数値が報告されていますが、業種によっては一桁台後半から10%以上に達するものもあれば、数%台にとどまるものもあります(出典:ferret One)。業界平均の数字そのものを追いかけるより、自社の過去の数字と比べてCPCとCVRのどちらが動いているかを見ることのほうが、実務上はずっと役に立ちます。これは検索広告に限らず、マーケティング全般で僕が大事にしている考え方でもあります。
まとめ
検索広告の成果が伸び悩んだとき、「広告費が高い」「効果が薄い」という感覚だけで判断してしまうと、本当の原因にたどり着けません。CPC(クリック単価)とCVR(成約率)、どちらの問題なのかを切り分けて考えるだけで、次に何を見直せばいいのかがはっきりします。マーケ担当がいない会社こそ、まずはこの物差しを手元に置いておいてください。
よくある質問
Q. CPCとCVR、どちらを優先して改善すべきですか? A. 優先順位は決まっていません。まず自社の数字がどちらで詰まっているのかを確認し、詰まっている側から手をつけるのが基本です。
Q. CVRの目安がわからない場合はどうすればいいですか? A. 業界平均より、自社の過去の数字との比較を優先してください。定義や商材単価によって適正値は大きく変わります。
Q. コンバージョン計測は自社だけで正しく設定できますか? A. 設定自体は可能ですが、抜け漏れに気づきにくい部分でもあるため、不安があれば一度チェックしてもらうのも一つの方法です。
Q. Google検索広告とMeta広告、どちらから理解すればいいですか? A. まずは検索広告の「キーワード=ターゲティング」という考え方から理解すると、他の広告媒体の理解もしやすくなります。
具体的なキャンペーンの組み方やコンバージョンの設定手順は、この記事では扱いません。実際の管理画面を見ながら一つずつ進めていく流れは、ソロマーケスクールの中で解説しています。
一人で広告の数字を抱え込まず、一緒に見させてください。

人材派遣・住宅設備(マイセット)・空間プロデュース会社UDS・島原観光ビューロー・コラビットと、マーケ担当不在の現場を渡り歩いてきた実務家。26歳でホームページ制作で独立し15年以上Web制作に従事。教育施設の立ち上げでは半年で受講生100人達成、島原観光ビューローでは観光情報発信サイトのディレクションや集客コンテンツを手がけ13年続いた観光コンテンツ(累計経済効果2億円超)を立ち上げ、コラビットには一人目マーケターとして入社し広告CPA65%削減・記事200本以上作成、その後マーケティングマネージャーとして年間数億円規模の予算を管理。現在は屋号デジマタクトでホームページ制作を入口に、AIを活用したマーケティングの仕組みごと提供し、中小企業の担当者1名でも運用できる体制づくりを支援。


