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AIに書けない記事とは?中小企業のSEOで一次情報が武器になる理由

公開日: 2026-09-07更新日: 2026-09-07
AIに書けない記事とは?中小企業のSEOで一次情報が武器になる理由

結論から言うと、AIで誰でも記事が書けるようになった今、検索で残るのは「その会社が実際にやってみたこと」を書いた記事だけです。AIが出せるのは、すでに世の中に出回っている情報の平均値でしかありません。逆に言えば、現場を持っている会社は、それだけで一番強い材料を持っていることになります。

「うちには権威性なんてない」「有名でもないし、専門家でもない」。マーケ担当がいない中小企業の方から、よくそう言われます。でもSEOで問われている「経験」は、有名かどうかではありません。この記事では、AI時代のSEOで何が変わって何が変わっていないのか、そして御社の現場にある材料がなぜ武器になるのかを整理します。

※発信のネタが社内にあるのに形にできていない、という段階でもご相談いただけます。

AI時代のSEOで、変わっていないことは何か?

「実際にやった人が書いた情報が強い」という原則は、まったく変わっていません。むしろ、AIが増えたことで前より重みが増しました。

Googleは検索結果の品質を測る基準として、経験・専門性・権威性・信頼性という4つの軸を置いています。このうち「経験」は、もともとあった3つに後から追加されたものです。2022年12月の品質評価ガイドライン更新で、実体験に基づく情報を評価する軸として明示されました(出典:E-A-Tに経験を加えたE-E-A-TがGoogle品質評価ガイドラインの2022年12月更新版で導入)。

ここが中小企業にとって効いてくるところです。この「経験」という軸が加わったことで、資格や肩書きがなくても、自分で体験して確かめた情報であれば評価される道ができました。業界で有名になる、権威ある人に監修してもらう、といった資本のいる打ち手だけが正解ではなくなったということです。

僕はこれを、SEOの技術論というより「誰でも土俵に上がれるようになった」という話だと受け止めています。ホームページやSNSという土台に、自社にしかない話を積んでいく。そこからデジタルマーケティングが本格的に動き出します。

なぜ一次情報だけが、AIに真似できないのか?

AIが学習しているのは、すでに公開されている情報だからです。まだ誰も書いていないことは、どれだけ性能が上がっても出てきません。

僕自身の話をします。前職の不動産テック企業で、社内で初めてのマーケターとして入りました。それまで広告運用は外部に委託していて、1件の申し込みを獲得するのに10万円かかっていました。これを自分の手で引き取ることにしました。

このとき僕には、ひとつ自信がありました。Photoshopを10年以上使ってきて、自分でWebデザインも手がけてきたからです。だから「まずバナー画像の質を上げれば数字は動くはずだ」と思っていました。作り慣れているぶん、手も速い。デザインを磨くことに、迷いなく時間を注ぎました。

ところが、数字はなかなか動きませんでした。正直、焦りました。自分の得意なところで殴っているのに効かない、というのはなかなかこたえます。結局、獲得単価を大きく動かしたのはデザインではなく、広告文でした。「何を言うか」を何十回も書き直していたときに、ようやく数字が落ち始めた。1年から1年半ほどかけて、10万円だった獲得単価は3万5,000円まで下がりました。

今振り返っても、この順番は当時どこにも書いていませんでした。「デザインより言葉が効く」という一般論なら探せば出てきます。でも「デザインに自信がある人間が、自信のあるほうから手をつけて、空振りした」という順番と手触りは、僕がやってみるまで存在しなかった情報です。これが一次情報だと思っています。

AIが書ける平均的な情報と、自社の現場にしかない一次情報の対比

生成AIは、すべてのページを平等に参照しているわけではありません。同じ内容が複数の場所に書かれている場合、元データを持っている発信元のほうを優先して参照する傾向があるとされています(出典:一次情報の集め方|生成AIに引用されやすいコンテンツへの活かし方)。つまり、平均値をなぞった記事は増えれば増えるほど価値が下がり、大元の情報を持っている側に価値が集まります。

御社の現場にある「やってみたら思っていたのと違った」という話は、それだけで大元の情報です。

AIで書いた記事は、なぜ評価が下がるのか?

問題はAIを使ったことではなく、人の手が一切入らないまま大量に出すことです。ここを混同すると、必要以上にAIを怖がることになります。

Googleは、検索順位を操作する目的で、読み手にとって価値のないページを大量に作る行為をスパムとして扱っています。この扱いは、AIが作ったか人が作ったかを問いません(出典:スパムポリシーとは?Googleの20年史とAI記事量産の注意点)。裏を返せば、AIを下書きに使うこと自体は否定されていない、ということです。

線引きはこう整理できます。

AI補助として使う AIに丸投げする
AIの役割 たたき台・構成づくり 完成原稿の生成
人がやること 自社の体験・数字・現場の観察で書き直す ほぼ何もしない
記事に入るもの 社内にしかない情報 どこにでもある情報
検索での扱われ方 経験として評価されうる 量産コンテンツとして扱われうる
AI補助として使う場合とAIに丸投げする場合の比較表

僕もAIは日常的に使っています。使わない理由がありません。ただ、AIが出してきた文章をそのまま出すことはしません。AIが書いた原稿は、たいてい「正しいけれど、誰が書いても同じ」ものになります。そこに自分が現場で見たこと、失敗したこと、数字が動かなくて焦ったことを入れていく。この工程だけは人にしかできないし、ここを省いた瞬間に記事の価値がなくなります。

社内に材料はあるのに、書く時間が取れないまま止まっている。中小企業でよく聞くのはこのパターンです。

権威性のない会社でも、信頼は積み上げられるか?

積み上げられます。有名になる必要も、業界の第一人者になる必要もありません。

僕は以前、長崎県の島原市に単身で移住して、地域の観光組織で働いていました。知り合いはゼロ。当然、その土地での実績も信用もありません。何をしていたかというと、地元の人たちと毎晩のように飲みに行って、ひたすら話を聞いていました。地方というだけで、いいものも、いい人も見過ごされている。それが悔しくて、この人たちのために何かしたいと思っていました。

その対話の積み重ねから生まれた観光の企画が、10年経った今も続いています。地域にもたらしている経済効果は年間およそ2,000万円。単純に積み上げれば、10年で2億円になる計算です。

書いていて気恥ずかしいのですが、この数字を自慢したいわけではありません。言いたいのは順番です。権威があったから企画が通ったのではなく、現場に入って話を聞き続けた結果として、後から信用がついてきた。順番はいつもこちらです。

だから「うちには権威性がない」という悩みは、実はほとんどの場合、権威性の問題ではありません。現場にある話が外に出ていないだけです。そしてもうひとつ効いてくるのが、扱う領域を絞ることです。「何でも書いている会社」より「この領域の会社」として認識されるほうが、検索でも人の記憶でも圧倒的に有利になります。この絞り方と積み上げ方の具体的な手順は、マーケスクールのほうで解説しています。

ホームページの仕組みは、どれを選べば有利になるか?

どれを選んでも構いません。仕組みの選択でSEOの勝ち負けが決まることは、ほとんどありません。

WordPressは長く使われていますが、脆弱性への対応が必要になります。専門知識がなくても作れるサービスも増えました。最近はAIを使って自分で作ってしまう人もいます。デジマタクトでは、特定のツールを推奨していません。どれにも向き不向きがあり、そして正直なところ、そこで差がつくほどSEOは甘くないからです。

差がつくのは、その器に何を入れるかです。中小企業の場合、社員は全員現場の仕事を抱えていて、発信に割ける時間は限られています。その限られた時間を、ツール選びの比較検討で使い切ってしまうのが一番もったいない。大仰なマーケ組織を作る必要はありません。AIを使った仕組みごと用意して、担当者1名で回せる状態にする。そのうえで、社内にしかない話を出していく。これが、いま現実的にいちばん効く進め方だと思っています。

まとめ

AIで記事が書けるようになって、平均的な情報の価値は下がりました。同時に、自分でやってみた人の情報の価値は上がりました。ここは表と裏です。

僕自身、得意なはずのデザインで空振りして、言葉のほうに答えがあったと気づくまでに1年以上かかりました。島原では、知り合いゼロの土地で毎晩話を聞くところからしか始められませんでした。どちらも、後から振り返れば全部が記事の材料です。うまくいかなかった話ほど、他の誰にも書けません。

権威性は、有名になって手に入れるものではなく、現場の話を出し続けた結果として後からついてくるものです。御社の中には、もう十分な材料があります。あとは、それを外に出すかどうかだけです。

よくある質問

Q. AIで記事を書くとペナルティを受けますか? A. AIを使ったこと自体が問題になるわけではありません。読み手に価値のないページを大量に出す行為が対象です。下書きに使い、自社の体験や数字で書き直すなら問題ありません。

Q. 一次情報といっても、うちには特別な体験がありません。 A. 特別である必要はありません。試してうまくいかなかったこと、お客様に言われて意外だったこと、社内で決めた基準。どれも社外の人には書けない情報です。

Q. 有名人に監修してもらったほうが有利ですか? A. 有利にはなりますが、必須ではありません。監修がなくても、実際にやった人が書いた情報であれば評価される仕組みになっています。

Q. WordPressから別の仕組みに移したほうがいいですか? A. SEOを目的にした移行なら、急ぐ必要はありません。移行に使う時間と費用を、記事の中身に回したほうが結果につながりやすいです。

Q. 記事は何本くらい出せばいいですか? A. 本数より、扱う領域を絞って続けることが先です。同じ領域の記事が積み上がるほど、検索でも「この分野の会社」として認識されやすくなります。

ネタ切れで発信が止まる、というお悩みには、AIを使って効率化した記事執筆代行という選択肢もあります。社内にある話を引き出すところからお手伝いできます。

寺尾講平
寺尾講平

人材派遣・住宅設備(マイセット)・空間プロデュース会社UDS・島原観光ビューロー・コラビットと、マーケ担当不在の現場を渡り歩いてきた実務家。26歳でホームページ制作で独立し15年以上Web制作に従事。教育施設の立ち上げでは半年で受講生100人達成、島原観光ビューローでは観光情報発信サイトのディレクションや集客コンテンツを手がけ13年続いた観光コンテンツ(累計経済効果2億円超)を立ち上げ、コラビットには一人目マーケターとして入社し広告CPA65%削減・記事200本以上作成、その後マーケティングマネージャーとして年間数億円規模の予算を管理。現在は屋号デジマタクトでホームページ制作を入口に、AIを活用したマーケティングの仕組みごと提供し、中小企業の担当者1名でも運用できる体制づくりを支援。

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