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『30代・個人事業主』では刺さらない。狙うべきは"状況"

公開日: 2026-07-23更新日: 2026-07-23
『30代・個人事業主』では刺さらない。狙うべきは"状況"

マーケティングのメッセージが誰にも刺さらないとき、原因はコピーの上手さではなく「ターゲット設定の解像度」にあることがほとんどです。個人事業主やひとり社長として自分で広告文やLPを書いている方なら、一度は「30代・経営者向け」のようなふんわりしたターゲット像のまま筆が止まった経験があるのではないでしょうか。この記事では、なぜ属性だけのターゲット設定では言葉が動かないのか、そして何を見れば言葉が刺さるようになるのかを、僕自身の独立の経緯も交えてお話しします。

なぜ「30代・個人事業主」では言葉が1文字も書けないのか?

答えは単純で、その中に全く違う悩みを抱えた人が全員含まれてしまうからです。「30代・個人事業主にメッセージを届けてください」と言われて、いきなり広告文を書ける人はほとんどいません。転職に悩んでいる人も、副業で苦戦している人も、SNS集客が頭打ちで焦っている人も、全部「30代・個人事業主」というくくりに入ってしまうからです。

僕はデジマタクトという屋号でマーケティング支援をしていますが、独立前は事業責任者やインハウスマーケターとして、何度も「ターゲットは30代〜40代の経営者層」というような資料を見てきました。もちろん市場の輪郭を掴む最初のステップとしては必要です。ただ、そこで止まってしまうと、実際に書ける言葉は「あなたの課題を解決します」のような、誰にでも当てはまるのに誰の心にも刺さらない一文になります。中小企業のマーケティング担当者を対象にした2025年の調査でも、「マーケティング戦略の設計が十分にできていない」と答えた人が38.5%、「専門知識・ノウハウが不足している」と答えた人が37.0%にのぼりました(出典:中小企業のマーケティング体制と外注活用の実態調査 | 株式会社PLAN-B)。属性は分かっていても、その先の言葉に落とし込めない事業者は決して少なくないということです。

同じ人物なのに、なぜ「状況」で刺さる言葉が変わるのか?

同じ人でも、置かれている状況によって心に刺さる言葉はまったく別物になるからです。たとえばSNS集客に悩む個人事業主がいたとして、「月曜の朝、先月の売上データを開いたら、また赤字だった」という状況の彼と、「土曜の昼、家族とランチを楽しみながらぼんやりスマホを眺めている」という状況の彼とでは、同じ「センスがないのかも」という悩みでも、火のつき方がまるで違います。

デモグラフィックだけのターゲティングと状況まで描いたターゲティングの比較図

月曜の朝の彼には「もう限界だ」という悩みが今まさに燃え上がっていますが、土曜の昼の彼の中では同じ悩みが眠っているだけです。人は「悩みがある」というだけでは動きません。その悩みが「もう我慢できない」という状況になった瞬間、はじめてスマホを握りしめて検索し、広告やLPに吸い寄せられます。つまりマーケターの仕事は、悩みそのものを見つけることだけでなく、その悩みが限界に達する「状況」を特定することだと僕は考えています。

「状況」を軽視すると何が起きるのか?

デモグラフィックだけで止まった言葉は、読者に「まあ、そうだね」で読み流されて終わります。属性だけを頼りに書いた広告文は、誰の生活のどの瞬間にも刺さらない、いわば宙に浮いた言葉になってしまうからです。

観点 デモグラフィックだけのターゲティング 状況まで描いたターゲティング
設定する情報 年齢・性別・職業などの属性 属性に加えて「いつ・どこで・何をしている時に悩みが爆発するか」
できあがる言葉 誰にでも当てはまる抽象的な一文 その瞬間の感情に直接触れる具体的な一文
読者の反応 「まあそうだね」と読み流される 「これ、まさに自分の話だ」と手が止まる
広告・LPへの影響 クリックはされても離脱されやすい 悩みが今まさに爆発している人が反応しやすい

僕自身、20年近く事業責任者やインハウスマーケターとして携わる中で、属性だけを頼りに施策を組んで手応えのないまま終わった経験が何度もあります。属性は「誰に」を絞り込む土台でしかなく、「なぜ今なのか」という状況を描いて初めて、読者の生活の中に言葉が入り込んでいくのだと痛感しています。

ペインが爆発する「状況」は、どうやって見極めればいいのか?

答えは、頭の中で考えるのではなく、悩みが限界に達する具体的な瞬間を思い描き、それを実際の顧客の声で確かめることです。たとえば「SNSの通知が1件も来ない画面を見て、無価値感に襲われた夜」のように、時間帯・場所・行動・感情までセットで思い描けるかどうかが解像度の分かれ目になります。ここで大事なのは、状況の仮説を1つに絞りすぎないことです。複数の仮説を持ったまま、実際のお客さんに「これ、自分のことだ」と言ってもらえるかどうかを確かめて、初めて仮説が確信に変わります。

僕自身にも、悩みが状況によって爆発した経験があります。会社員時代、僕は夫婦で育児・家事を半々で担っており、子どもとの時間を大事にしたいという思いを持っていました。その思いが「もう我慢できない」というところまで強まったのは、在籍していた会社で出社中心の働き方に切り替わったタイミングです。同じ「子どもとの時間を大事にしたい」という思いでも、状況が変わったことで一気に「独立するしかない」というところまで気持ちが動きました。40代で転職10回という経歴を重ねてきた僕にとっても、行動を動かしたのは「悩みの内容」そのものではなく「状況の変化」でした。この体験があるからこそ、状況を軽視したターゲティングでは人の心は動かないと、実感を持って言えます。

悩みが存在する状態から状況の変化によって行動に変わるまでの時系列図

なお、状況の仮説をどうやって具体的に言語化し、実際の顧客検証までつなげていくかという実践的な進め方については、僕が運営しているマーケティングスクールで手順ごとに解説しています。この記事では考え方の土台までにとどめます。

まとめ

ターゲットを「30代・個人事業主」のような属性だけで止めてしまうと、どれだけ丁寧に言葉を選んでも、読者の生活のどの瞬間にも刺さらない一文になってしまいます。同じ悩みを抱えた人でも、状況によって心に火がついているか眠っているかはまったく違うからです。僕自身も、子どもとの時間を大事にしたいという思いを抱えながら、出社中心という状況の変化が引き金になって初めて独立という行動に動きました。属性でくくった「誰か」ではなく、悩みが限界に達している「その瞬間」を思い描くこと。それが、読者に「自分の話だ」と思ってもらえる言葉への一番の近道だと考えています。

よくある質問

Q. デモグラフィックによるターゲティングは不要ですか? A. 不要ではありません。市場の輪郭を掴む最初のステップとしては必要ですが、それだけでは言葉は刺さりません。状況を重ねて初めて実際に使える言葉になります。

Q. 「状況」はどうやって見つければいいですか? A. 悩みが限界に達する具体的な瞬間を思い描き、実際の顧客に確かめて検証します。具体的な進め方はマーケティングスクールで解説しています。

Q. BtoBのビジネスでも同じ考え方は使えますか? A. 使えます。担当者が「もう放置できない」と感じる社内の状況を特定できれば、資料や広告文の刺さり方が大きく変わります。

Q. 一人で事業をしている場合でも、ここまで考える必要がありますか? A. むしろ一人だからこそ重要です。広告予算が限られている分、言葉の精度を上げることが費用対効果に直結します。

(この記事は【スキマ時間にAIインタビューに答えるだけで記事になるコトポスト】で作成しています)

寺尾講平
寺尾講平

個人事業主(ソロプレナー)の「売上が伸びない」「発信が続かない」を、AIとコンテンツマーケティングで解決する専門家。大手企業のオウンドメディア立ち上げ・コンテンツマーケティング支援を皮切りに、事業会社のマーケティング責任者として年間2億円規模のマーケティング予算を統括。自らも週2本ペースで2年間、200〜300本の記事を執筆し、記事制作のディレクションも担いながらコンテンツマーケティングを現場で回し続けてきた。広告だけに頼らない仕組みづくりを志向し、コンテンツマーケティングとの掛け合わせで3年間で事業売上約20倍の成長を牽引。BtoB(SaaS)領域では広告費に依存しないリード獲得スキームを構築し、MRR1,000万円超を達成。事業主として7つの新規事業立ち上げ・会社経営を経験しており、職業マーケターとしての実務経験と両方を持つのが最大の強み。個人事業主が単価の壁で頼れなかったプロのマーケティング支援を、AIを武器に届けている。

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