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ホームページ制作・リニューアル

ホームページリニューアルの前に、社長と確認しておきたい4つのこと

公開日: 2026-09-30更新日: 2026-09-30
ホームページリニューアルの前に、社長と確認しておきたい4つのこと

ホームページのリニューアルで最初にやるべきなのは、デザインを考えることではありません。「どの事業のために直すのか」「売上が戻った本当の理由は何か」「残すべきアナログな強みはどこか」「使いにくさの根拠をどう集めるか」の4つを、社長と一緒に確認することです。マーケ担当がいない会社ほど、リニューアルは「古くなったから」「競合のほうが見栄えがいいから」で始まりがちです。その気持ちはよくわかります。ただ、ここを飛ばしてしまうと、お金と時間をかけたのに何も変わらなかった、ということが本当によく起きます。この記事では、先日あるホームページリニューアルの相談で社長にじっくり話を伺ったときのやり取りをもとに、僕が最初の1時間で何を確認しているのかを書いてみます。

※もし今「うちのホームページ、そろそろ直さないと」と感じているなら、お気軽にご相談ください。

なぜホームページリニューアルは「見た目を変えるだけ」では失敗するのか?

何のために直すのかが決まらないまま手を動かすと、見た目は新しくなっても、お客さんの行動は何も変わらないからです。

実際、Webサイトのリニューアルと成果の関係を調べた調査では、リニューアルした20サイトのうち14サイトで、問い合わせの数も率も改善しなかったという結果が出ています(出典:Web担当者Forum)。7割のリニューアルが、少なくとも成果の面では空振りだったということです。

先日ご相談をいただいた会社も、最初の悩みは「ホームページがダサいと、店そのものがダサく見えてしまう」というものでした。地方に拠点を置きながら、都市部で働くプロのお客さんに向けて、専門的な商品をネットで貸し出している会社です。以前はネット経由の売上だけでしっかり事業の柱になっていたのに、ある時期からピークの3分の1以下まで落ち込み、そこから少し持ち直してきたところでした。

社長は「ネットの商売だから、ホームページは店そのものと同じ」とおっしゃっていました。本当にその通りだと思います。そして、だからこそ見た目だけを変えても足りないんです。店の内装を新しくしても、売り場の並びや接客が変わらなければ、お客さんの買いやすさは変わりません。

では、何から確認すればいいのか。僕が実際にその場で聞いていった順番で書いていきます。

どの事業のホームページから直すべきか?

答えは「ホームページが売上に直結している事業から、一つに絞って直す」です。

この会社には、大きく分けて地元のお客さん向けの事業と、ネットで全国のプロ向けに貸し出す事業がありました。社長からは「本当はホームページ全部を見直してもらえたらありがたい」という声もありました。

ただ、話を伺うと、地元向けの事業は学校へのチラシ配りなど、社長いわく「泥くさい営業」で十分にお客さんが取れていて、地元での知名度も圧倒的でした。そういう事業にとってのホームページの役割は、「ちゃんとした会社なんだな」と確認してもらえる程度で足りることが多いです。そこに大きなお金をかける意味は、正直あまりありません。

一方でネットの事業は、お客さんが実物を見ずに、ホームページだけを見て注文するかどうかを決めます。ここはホームページの出来が、そのまま売上に効いてきます。

ホームページが売上に効く度合いは、事業ごとにちがう
確認する観点 地元向け事業 ネット向け事業
お客さんの主な入口 チラシ・直接の営業・口コミ 検索・紹介を受けてからのホームページ閲覧
ホームページの役割 「ちゃんとした会社」の確認 注文するかどうかの判断材料そのもの
お金をかける優先度 低い 高い

僕が事前に資料を拝見したときにも、「まずネットの事業に絞るべきだな」と考えていました。社長の口から同じ話が出てきたときは、認識が合っていて本当にありがたいと感じました。ここがずれたまま進むと、後で必ずどこかでぶつかるからです。予算も時間も限られている中小企業のリニューアルでは、「全部を少しずつ良くする」より「一番効くところを確実に良くする」ほうが、結果的に前に進みます。

もう一つ、この段階で確認したのが、ホームページのシステムや今お願いしている制作会社を変えるかどうかです。この会社の場合は、どちらも変えずに今の環境をそのまま使うことになりました。僕自身、システムにこだわりはありません。社長や、今関わっている制作会社さんが一番使いやすい形に合わせて、進め方の舵取りをするほうが、公開したあとも回り続けるホームページになります。

売上が戻った「理由」をどう見つければいいか?

答えは、たまたまうまくいった理由を、社長の頭の中から言葉として引き出すことです。

僕はマーケティングを魔法の杖だとは思っていません。これまで社長や現場の方が試行錯誤してきた中で、偶然見えた「勝ち筋」のようなものがどこかにあるはずで、それを再現できる仕組みにすることが本質だと考えています。

だから、この会社で一番気になったのは、ピークの3分の1以下まで落ちた売上が「なぜ少し戻ったのか」でした。落ちた理由よりも、戻った理由のほうに、次の打ち手のヒントが詰まっていることが多いからです。

聞いてみると、いくつかの理由が出てきました。

一つは、お客さん同士の紹介です。プロのお客さん同士が横のつながりで「あそこ良いよ」とすぐ教え合う業界で、紹介がとても多いとのことでした。

もう一つは、リピーターです。一度使ってくれたお客さんが、何度も戻ってきてくれている。

そして途中で、社長が後ろで話を聞いていた奥さまからの一言を受けて、「インスタの発信も、見てもらえている理由の一つかもしれない」と付け加えてくれました。聞けば、発信が得意なスタッフさんが、出勤したら必ず投稿するというルールで、事業ごとに複数のアカウントを毎日更新しているそうです。社長は笑いながら「その子がいないと、うちは完全に止まります」とおっしゃっていました。

これには本当に驚きました。SNSは、好きで続けられる人に勝るものはありません。マーケ担当がいない会社で、ここまで地道に続けられているのは、それだけで大きな財産です。

こうした話は、アクセス解析の画面をいくら眺めても出てきません。社長や現場の方に直接聞くからこそ出てくる、その会社だけの勝ち筋です。ホームページを直すときは、この勝ち筋をさらに太くする方向に直していきます。

どこに勝ち筋があるのか、自社だけでは言葉にしにくいという方は、一緒に掘り起こすところからお手伝いできます。

残すべき「アナログな強み」をどう見極めるか?

答えは、「お客さんがリピートしてくれている理由」になっている手間は、効率化の対象から外すことです。

リピーターがなぜ戻ってきてくれるのかを聞いたとき、社長の答えはとてもアナログなものでした。注文が入ったら、必ずお客さんに連絡を入れて、何に使うのか、どんなイメージなのかを聞きながら、サイズや丈感まで提案してぴったりのものを用意する。大手の通販のように、ボタン一つで注文して届くだけのサービスが多い中で、この一手間が選ばれる理由になっていました。

支払いの流れも同じです。この会社では、注文の時点ではその場で決済せず、内容と金額を確認したあとで、カード決済用のリンクをメールで送る形にしています。注文時に日数や内容がずれて金額が変わることがよくあるからです。

ホームページを作る側の感覚だと、「その場で決済まで終わらせたほうが便利」と考えがちです。でも、この会社の場合、それを変えるとずれた金額の修正に追われ、手間もトラブルも増えてしまいます。なので、この支払いの流れは変えないほうがいい、とその場でお伝えしました。

ホームページで整えるところ、あえて人の手で残すところ
項目 ホームページで整えるところ あえて人の手で残すところ
商品の探しやすさ 検索窓や絞り込みで探しやすくする ―
注文時の入力 電話で聞く内容は、フォームで無理に聞かない 用途やサイズの相談
支払い ― 内容確定後に決済リンクを送る流れ

一方で、変えたほうがいいところもはっきりしていました。サイトに商品を探すための検索窓がなかったんです。今の時代、お客さんは探しているものを検索窓に入れて探すのが当たり前になっています。ここは素直に整えるべきところです。

ただ、ここは僕もまだ答えを出し切れていないところがあります。電話で聞く内容を注文フォームから減らせば、お客さんの入力の手間は減ります。でも、減らしすぎると「え、ここで何日までとか聞かないの? この会社大丈夫?」と、かえって不安にさせてしまうかもしれません。どちらに振るかは、実際にお客さんに触ってもらわないとわからない。だから次の確認に進みます。

使いにくさの根拠はどう集めればいいか?

答えは、想像で作らず、実際のお客さんに近い人の操作を見て判断することです。

僕らだけで想像しながら作って、公開してみたらめちゃくちゃ使いにくいものになっていて、そのときにやっと気づく。これは本当によくある失敗で、時間もお金ももったいないです。

なので、この会社でも最初は「本物のお客さんに一度サイトを触ってもらって、どこで詰まるのかを見たい」とお願いしました。

ところが、社長の答えは慎重でした。お客さんは本当に忙しい人たちで、夜中でも早朝でも注文が入り、電話にも出られないことが多い。そんな人たちに「サイトの使い勝手を教えてほしい」とお願いするのは、正直厳しいと。

それを聞いて、すぐに「やめましょう」とお伝えしました。根拠が欲しいのは僕の都合です。そのために、社長が大事に積み上げてきたお客さんとの関係を傷つけてしまったら本末転倒です。提案した僕のほうが、お客さんの状況を想像しきれていませんでした。

代わりに出てきたのが、次の2つの方法です。

一つは、実際のお客さんと同じような状況にいる知り合いに触ってもらうことです。本職でなくてもかまいません。「誰かに頼まれて、急いで何かを用意しなきゃいけない」という状況で、初めてこのサイトを使ったらどこで迷うか。それを見られれば十分に参考になります。

もう一つは、サイトを訪れた人がどこを読み、どこで迷ったかを記録して見られる分析ツールを入れることです。僕自身のホームページにも入れていて、月1万円くらいのごく少額の広告で人を呼んで、訪問した人の動きを確かめています。想像ではなく、実際の動きを見て「ここで迷っていそうだな」「ここはよく読まれているな」と判断できます。

一番いいのは本物のお客さんに聞くことです。でも、それができないときの代わりの手段は、ちゃんとあります。大事なのは、お客さんとの関係を守ったうえで根拠を集めることです。

まとめ

ホームページのリニューアルは、見た目を新しくすることがゴールではありません。どの事業のために直すのかを絞り、売上が戻った理由を言葉にし、お客さんに選ばれているアナログな強みを守り、使いにくさの根拠を集める。この4つを社長と確認してから手を動かすだけで、リニューアルの空振りはぐっと減らせるはずです。

今回の相談で改めて感じたのは、地方で限られたチャンスをきっちり回している会社には、アクセス解析の数字には出てこない強みがたくさん眠っているということでした。それを一番知っているのは、社長自身と、毎日お客さんと向き合っている現場の方々です。

ホームページという土台を整えるのは、デジタルでの新規販路開拓を本格的に始めるための第一歩です。大仰なマーケ組織はいりません。担当者1人でも回し続けられる形で、一緒に整えていけたらと思っています。

よくある質問

Q. ホームページのリニューアルは、全ページを一度に直したほうがいいですか? A. 予算と時間が限られているなら、売上に直結している事業のページから絞って直すのがおすすめです。一番効くところを確実に良くするほうが、結果的に前に進みます。

Q. 今お願いしている制作会社を変えないとリニューアルはできませんか? A. 変える必要はありません。今のシステムや制作会社を活かしたまま、何をどう直すかの方針と進め方を整えるだけでも、ホームページは大きく変わります。

Q. お客さんへの電話確認など、手間のかかる対応はホームページで自動化すべきですか? A. その手間がリピートの理由になっているなら、残したほうがいいです。自動化するのは、お客さんが探しやすく、迷わず注文できる部分からにしましょう。

Q. お客さんに直接サイトの使い勝手を聞けない場合はどうすればいいですか? A. お客さんと似た状況にいる知り合いに触ってもらうか、訪問者の動きを記録できる分析ツールを使う方法があります。少額の広告で人を呼べば、短期間でも傾向がつかめます。

一人でホームページのことを抱え込まず、まずは今の状況を聞かせてください。どこから直すべきか、一緒に考えさせてください。

寺尾講平
寺尾講平

人材派遣・住宅設備(マイセット)・空間プロデュース会社UDS・島原観光ビューロー・コラビットと、マーケ担当不在の現場を渡り歩いてきた実務家。26歳でホームページ制作で独立し15年以上Web制作に従事。教育施設の立ち上げでは半年で受講生100人達成、島原観光ビューローでは観光情報発信サイトのディレクションや集客コンテンツを手がけ13年続いた観光コンテンツ(累計経済効果2億円超)を立ち上げ、コラビットには一人目マーケターとして入社し広告CPA65%削減・記事200本以上作成、その後マーケティングマネージャーとして年間数億円規模の予算を管理。現在は屋号デジマタクトでホームページ制作を入口に、AIを活用したマーケティングの仕組みごと提供し、中小企業の担当者1名でも運用できる体制づくりを支援。

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